2010-10-19ソーラーフロンティアとIBM、CZTS太陽電池の共同開発で合意
2010年10月19日
報道関係者各位
ソーラーフロンティア株式会社
ソーラーフロンティアとIBM、CZTS太陽電池の共同開発で合意
~薄膜太陽電池におけるトップランナーとして研究開発に必須の知見を活用~
【東京―2010年10月19日】 ソーラーフロンティア株式会社(社長:亀田繁明、本社:東京都港区台場2-3-2、以下:ソーラーフロンティア)は、IBMコーポレーションとCZTS(CZTS:Copper, Zinc, Tin, Sulfur, Selenium〔銅、亜鉛、スズ、硫黄、セレン〕)薄膜太陽電池セルの共同研究を行うことで合意しました。この合意に基づき両社は、IBMがこの分野で培ってきた画期的な技術をさらに進化させることを目標にしています。
IBMは、CZTSを用いた太陽電池セルとしては記録的な9.6%の変換効率を達成したと、今年2月に発表しています。このIBMの画期的な研究成果とソーラーフロンティアの薄膜生成技術ならびに製造技術を協働させることで、レアメタルを使用せず入手が容易かつ安価な材料を用い、かつ、価格競争力に優れた太陽電池技術を開発することを目指します。また、ソーラーフロンティアと同様に、台湾のDelSolar社(以下:DelSolar)も、この技術開発分野でIBMとパートナー関係を結んでおり、日本、アメリカ、台湾というグローバルな協業を通じてCZTS薄膜太陽電池技術の進化が期待できます。
ソーラーフロンティアは、銅・インジウム・セレン・ガリウム・硫黄を主成分としたCIS薄膜系太陽電池において世界に先駆けて技術開発を進めてきましたが、今般、CIS技術の延長上にあるCZTS技術の高い互換性にも関心を寄せるに至りました。IBMとの共同研究は、経済的で環境に優しい太陽光発電を社会に提供するという当社の方針に合致します。
CZTS太陽電池技術は、CIS同様に毒性物質を用いないことに加え、入手し易く安価な材料を主としていることから、その特性により、温室効果ガスや二酸化炭素排出を伴う化石燃料を用いた電力を下回るコストを目指すことも可能です。
「世界的に卓越したCIS薄膜太陽電池技術を持つソーラーフロンティアと一緒に研究開発に取り組むのを楽しみにしております。ソーラーフロンティアの薄膜太陽電池技術に関する深い専門知識が当研究に加わることにより、IBMが当分野ですでに進めている東京応化工業株式会社との化学分野ならびに製造装置の開発に関する協業や、太陽電池モジュールおよびその製造に技術力を持つDelSolarとの協業をさらに推し進めることになります。また、このチームは、持続的なグリッド・パリティーの達成を可能とするCZTS太陽電池技術の開発能力を大幅に増強するでしょう」と、IBMリサーチ、サイエンス&テクノロジー担当バイス・プレジデントのT.C.チェン(T.C. Chen)はメッセージを寄せています。
ソーラーフロンティアは、この取り組みにより、太陽光エネルギーが、世界のすみずみまで普及することを期待しており、ひいては、当社の持続的発展に寄与すると考えています。
なお、このソーラーフロンティアとIBMの共同研究開発は、主に、米国ニューヨーク州ヨークタウン・ハイツにあるIBMのワトソン研究所(IBM Thomas J. Watson Research Center)で行われます。
以上
【ソーラーフロンティア株式会社について】
ソーラーフロンティア株式会社は昭和シェル石油株式会社の100%子会社であり、現在、宮崎県に世界最大規模となる第3工場(国富工場:年産900MW)を建設しており、既に稼働している第1および第2工場と合わせて、2011年中に約1GW(1,000MW)のCIS太陽電池の年産能力の確立を目指しています。
ソーラーフロンティア株式会社が製造・供給するCIS 太陽電池パネルは、銅、インジウム、セレンを使用した当社の独自技術で生産される次世代太陽電池パネルで、経済効率の高さ・環境負荷の少なさのほか、太陽電池の設置容量(kW)あたりの実発電量(kWh)が、従来型のものに比較して高い(年間発電量で約8%の差、当社調べ)という特徴をもっています。技術やデザインが評価され、内閣総理大臣表彰「第2回ものづくり日本大賞」で優秀賞(製品・技術開発部門)、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する「2007年グッドデザイン賞」では特別賞エコロジーデザイン賞を受賞しました。
報道関係からの問い合わせ先: ソーラーフロンティア株式会社 広報部 中田・八宮 TEL: 03-5531-5792 |