2022.04.27

東京都補助金 | 再エネの導入時に事業者が利用可能な助成事業

東京都補助金 | 再エネの導入時に事業者が利用可能な助成事業

東京都では、事業者が再エネ設備を導入する際に、さまざまな助成事業が設けられています。各事業の概要や注意点を知ることで、コストを抑えつつ脱炭素経営の取り組みを進められるでしょう。
今回の記事では、活用可能な助成事業名やその概要について詳しくご紹介します。

目次

    東京都・再エネ導入で利用可能な助成事業

    東京都・再エネ導入で利用可能な助成事業

    東京都で交付される、再エネ設備の導入に対する助成金の具体的な内容を見ていきましょう。

    本記事では、東京都地球温暖化防止活動推進センター(以下、クール・ネット東京)が推進する助成事業を2つ紹介します。

    ◇地産地消型再エネ増強プロジェクト

    1. 事業目的

    都内に地産地消型再生可能エネルギー発電等設備又は再生可能エネルギー熱利用設備を設置する事業者に対して、当該設備の設置に係る経費の一部を助成することにより、温室効果ガスの排出削減及び電力系統への負荷軽減を図ること等を目的として行うもの。

    昨今の脱炭素社会やカーボンニュートラルの推進に沿い、東京都における温室効果ガスの排出削減及び電力系統への負荷軽減を図るための事業であることを理解しておく必要があります。

    参考:カーボンニュートラルとは?仕組みや国内の取り組みを紹介

    参考:脱炭素化とは?日本企業の目標や枠組み徹底解説

    1. 事業実施年度

    令和2年度から令和5年度まで
    ※助成金の交付は令和6年度まで
    ※公募は予算の範囲内で毎年度行われる

    1. 予算額

    17億8,300万円(令和4年度)

    1. 申請受付期間

    令和4年4月1日から令和5年3月31日まで

    1. 助成対象事業

    再エネ設備を都内に設置し、設備から得られたエネルギーを都内の施設で消費する事業

    次に「地産地消型」の設備とはどのようなものを指すのでしょうか。

    1. 地産地消型の定義

    運営団体であるクール・ネット東京の説明資料では以下の通り定義されています。
    いずれのパターンにおいても、再エネ設備の設置場所、消費場所ともに都内であることが必要です。

    1. ① 都内に再生可能エネルギー発電設備を設置し、その設置設備から得られたエネルギーを都内の当該設置施設で消費する場合
      ※再生可能エネルギー利用設備の設置者と当該設置建物の所有者が異なる場合を含む
    2. ② 再生可能エネルギー発電等の設備を設置し、その設置設備から得られたエネルギーを一般電気事業者の送電網を用いて送電し、消費する場合(いわゆる自己託送)
    3. ③ 再生可能エネルギー発電等設備を設置し、その設置設備から得られたエネルギーを、自営線により送電し、消費する場合
    4. ④ 再生可能エネルギー発電等設備を設置し、その発電設備から得られたエネルギーを、小売電気事業者を介して需要家に供給し、消費する場合
      (当該再エネ電源を特定して供給し、消費する場合に限る)

    ※再エネ設備の設置場所、消費場所ともに都内であることが条件

    1. 助成対象設備

    次に、助成対象となる設備の具体的な種別を見てみましょう。

    (1)再エネ発電等設備
    太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電、発電設備と併せて導入する蓄電池等

    共通要件として、次のすべての要件を満たすことが必要です。

    1. ① 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第4項の認定を受けない自家消費を主たる目的としたもの(FIT 制度又は FIP 制度において認定を受けないもの)であること。
    2. ② 再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、発電した電力の需要先の年間消費電力量の範囲内であること。

    なお、太陽光発電の場合、太陽電池出力が5kW以上※であることも要件とされています。

    ※太陽電池出力とは以下のように定義されています。

    1. ・太陽電池モジュールのJIS等に規定されている公称最大出力の合計値又はパワーコンディショナーのJISに基づく定格出力の合計値のうちいずれか小さい値
      (kWを単位とし、小数点以下は切り捨て)

    参考:日本における太陽光発電普及拡大の歴史、FIT制度からFIP制度へ

    (2)再エネ熱利用設備
    太陽熱利用、温度差熱利用、地中熱利用、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造

    共通要件として、次の要件を満たすことが必要です。
    再生可能エネルギー熱利用設備の年間発熱量が、当該熱を供給する施設の年間消費熱量 の範囲内であること。

    参考:再生可能エネルギー|概要や導入するメリットを紹介

    1. 助成金額

    (1)中小企業、区市町村等:助成対象経費の3分の2以内(助成上限額:1億円)
    (2)その他:助成対象経費の2分の1以内(助成上限額7,500万円)

    詳細要件や申請手順については、必ず各助成事業の公式HP等をご確認ください。
    公募が締め切られる場合がありますので、ご注意ください。

    引用:クール・ネット東京 地産地消型再エネ増強プロジェクト

    ◇再エネ設備の新規導入につながる電力調達構築事業

    1. 事業目的

    都外に設置する再生可能エネルギー発電設備からの電力調達に取り組む都内の電力需要家に対し、当該設備の設置に係る経費の一部を助成することにより、都外の再生可能エネルギー発電設備の新規導入に資する利用手法の確立を図り、脱炭素社会の実現を目指すことを目的として行うもの。

    1. 事業実施年度

    令和3年度から令和5年度まで
    ※助成金の交付は令和6年度まで
    ※公募は予算の範囲内で毎年度行われる

    1. 予算額

    10億円(令和4年度)

    1. 申請受付期間

    令和4年4月1日から令和5年3月31日まで

    1. 助成対象事業

    都外に再生可能エネルギー発電設備を設置し、当該設備から得られた電気を都内施設で消費する取組
    ※住居の用に供する部分で使用するものを除く。

    1. 助成対象事業イメージ(例)

    助成対象事業イメージ(例)

    図出典:クール・ネット東京 『再エネ設備の新規導入につながる電力調達構築事業 
    事業説明会 ~事業概要と助成内容編~ Ver.1.0』資料より抜粋

    1. 助成対象設備

    再エネ発電設備
    (太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、小水力発電等の再生可能エネルギー発電設備)

    共通要件として、次のすべての要件を満たすことが必要です。

    1. ① 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第4項の認定を受けない自家消費を主たる目的としたもの(FIT制度又はFIP制度において認定を受けないもの)であること。
    2. ② 再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、発電した電力の需要先の年間消費電力量の範囲内であること。

    太陽光発電の場合、太陽電池出力が5kW以上※であることも要件とされています。
    ※太陽電池出力とは以下のように定義されています。

    1. ・太陽電池モジュールのJIS等に規定されている公称最大出力の合計値又はパワーコンディショナーのJISに基づく定格出力の合計値のうちいずれか小さい値
      (kWを単位とし、小数点以下は切り捨て)
    1. 助成金額

    助成対象経費の2分の1以内(助成上限額:2億円)
    ※予算残額が2億円を下回った場合、助成上限額は、予算残額の範囲内となる。

    詳細の要件や申請手順については、必ず各補助金公式HP等をご確認ください。 公募が締め切られる場合がありますので、ご注意ください。

    引用:クール・ネット東京 再エネ設備の新規導入につながる電力調達構築事業

    まとめ

    以上、東京都における再エネ導入時に検討が可能な助成事業の代表例を紹介しました。
    これ以外にも、再エネ導入に係わる助成事業を行う省庁や自治体がありますので、導入検討される際には、積極的に情報収集を行いましょう。