キュービクルとは?法人で太陽光発電システム導入時に必要な対応は? | 法人向け省エネ対策について情報をお届けするサイト
               

公開日2025.03.06

更新日2025.03.10

キュービクルとは?法人で太陽光発電システム導入時に必要な対応は?

キュービクルとは?法人で太陽光発電システム導入時に必要な対応は?

キュービクルとは?など基礎的な内容から解説すると共に、太陽光発電システムを導入する際に変更や改造は必要か?といった疑問を解消できる記事となっています。また、スムーズに工事を行うために、どのような業者に依頼すればいいのかまでご紹介します。

 

今回は、太陽光発電システムを法人で導入する場合、よく出てくる用語の1つである「キュービクル」について掘り下げていきます。

そもそも、キュービクルとは?
太陽光発電システムを導入する際に、どのようなケースにて必要になるのか?
既にキュービクルがある場合に必要な対応はなにか?

このような疑問にお答えする記事になっています。

それでは、まず今回の記事の要点から見ていきましょう。

目次

    記事の要点

    キュービクルとは、高圧受電契約をしている工場やビルなどで導入される設備です

    ・キュービクルは、電気料金を抑えながら大量の電力を効率的・安定的に管理・供給するための、大規模な施設には不可欠な設備です

    ・自家消費型太陽光発電システムの導入時には、逆潮流しないようなシステムへの改修など、キュービクルの更新が必要になってきます

    ・設備機器の更新に加えて、電力会社などへ申請が必要になってくることから、一気通貫で対応できる業者選びが重要です

    キュービクルとは

    キュービクルとは、電気の「変圧器」のことで、正式には「キュービクル式高圧受電設備」といいます。

    見た目は物置のような外観で、中には電気を制御するための機器が備えられています。

    キュービクルが必要なのは50kW以上の「高圧受電契約」をしている施設で、たとえば工場や大きなビルなどが該当します。

    発電所から送られてくる電気は6600Vと、とても高い電圧になっています。しかし、私たちが普段使う電気は100Vもしくは200Vなので、そのままでは使えません。

    キュービクルはこの電圧を調整し、電気を安全に使えるようにするための設備です。

    工場や大規模店舗などでは必須の設備

    一般家庭は低圧受電契約で十分ですが、工場や大型店舗などたくさんの電気を使う施設の場合、低圧で対応できないため高圧電力を契約します。

    その際に、電力会社を通さずに直接電気を安定して引き込むためにキュービクルを設置します

    大量の電力を効率的・安定的に管理・共有するためにキュービクルは不可欠なシステムです。

    キュービクル自体は設置費用がかかるものの、電気料金の単価が安い高圧電力を利用できるようになることから、長期的に見れば電気料金の削減メリットの方が大きくなります

    このようにキュービクルは大量の電力を効率的・安定的に管理・供給するために、大規模な施設には不可欠の設備であると同時に、電気料金を抑えるための高圧受電契約を行なう際に必須の設備です。

    太陽光発電システム導入時のキュービクルの扱い

    つづいて、太陽光発電システムを導入する際のキュービクルの扱いについて解説をしていきます。

    法人で太陽光発電システムを導入する際にも、このキュービクルが大きく関わってきます。

    発電した電気が逆潮流しないような対策

    太陽光発電システムを導入すると、発電した電気をしっかり管理する必要が出てきます。

    特に自家消費型太陽光発電システムの場合、発電した電気はすべて自家消費することが条件になってきますが、休日・休業などで工場や店舗でほとんど電気を使わないとき、その間にも発電してしまう電気をしっかり管理しなければなりません

    住宅用の太陽光発電システムなどは、売電として電気が系統(電力網)に逆潮流することは問題ありませんが、自家消費型の場合は系統連系の際に逆潮流させないようなシステムにしておくことが条件となっています。

    そのため、このような逆潮流を防ぐためにキュービクルに「RPR(逆電力継電器)」を導入することが必須になってきます。

    出力自動制御システムの導入を同時に

    また、自家消費型太陽光発電の電力を正しく管理するためには、太陽光発電システム側での制御装置で自動で発電量を抑える調整も必要です。

    また、キュービクル側でもこのような制御システムとともに、施設全体の電力使用量と発電量が一定のバランスを崩さないよう調整をします。

    そのため、自家消費型太陽光発電システムを導入する際は、キュービクル内にRPR(逆電力継電器)を設置するのと同時に、自動出力制御システムでの管理も行なわれます。

    このような複合的なシステムによって、電気の安全管理として施設や周囲への停電などのトラブルを未然に防ぐことができます。

    それぞれの役割

    ここで、キュービクルでのRPR(逆電力継電器)と自動出力制御システムの役割の違いをまとめました。

    キュービクル側では主に逆潮流(電力会社の系統への電力流入)を防ぐための保護、そして逆潮流を検知するとパワーコンディショナを停止させる「最後の砦」のような役割を持ちます。

    一方で、自動出力制御システムは普段の調整として、発電量と使用量のバランスを保つ役割を担っています。

    キュービクルパワーコンディショナ および自動出力制御システム
    元々の役割・高圧受電※6600V→100V/200Vへの変換
    ・施設全体の電力管理
    ・パワーコンディショナ)
    太陽光発電で発電した電気の電圧変換 
    ※DC→ACへ変換
    ・自動出力制御システム)
    逆潮流防止のためにパワコンの出力を自動で抑える
    発電量の制御なし施設の電力使用量に応じた調整を実施
    逆潮流の制御系統へ逆潮流しない制御
    ※RPR(逆電力継電器)
    バックアップ的な存在
    発電量を自動調整し、余剰電力が発生しないように抑える
    普段の調整は制御システム側で実施
    デマンド管理受電量の監視・制御発電を調整し、需要を抑制

    自家消費型太陽光発電システム導入時の対応

    法人で今、既に大型の施設を保有している事業者様の場合、キュービクルを改修・機能追加する必要があります

    そのため、導入時には太陽光発電システム自体の価格に加えて、キュービクルの改修費用も見込んでおきましょう

    また、改修にあたりチェックする内容は、主に以下のとおりです。

    ・太陽光発電システムに対応できるキュービクルを追加できるスペースがあるか

    ・RPRや遮断機などの追加機能を導入できるスペースがあるか

    ・様々な安全対策(排熱や配線など)が施せるか

    ・改修時に半日~1日程度の停電が発生するが、問題ないか    など

    上記のようなポイントをはじめ、施設に応じた様々なポイントを電気主任技術者などの専門家がチェックしていきます。

    系統連系の手続き

    系統とは、発電所から変電所などを通じて、需要家(電気を使う家や事業者)へ電気を供給するシステム全体のことを指します。

    太陽光発電システムを導入するということは、すなわち小さな発電所を作るのと同じになってきます。

    設備機器の改修・更新といった物理的なチェックに加えて、この系統と呼ばれる電力網のシステム内に組み込むため、電力会社との調整といった手続きも必要になってきます。

    電力会社の審査や承認を経て、太陽光発電システムの運用が開始できますので、重要なフローとなります。

    このとき、各種申請などを1つの窓口で任せることができる業者であれば、安心感が高く手間も少なく済みます

    まとめ

    今回は、大型施設に不可欠なキュービクルと、自家消費型太陽光発電システムとの関係性について基礎的な内容を紹介してきました。

    大型施設での太陽光発電システム導入には、キュービクルのチェックも必要になってくることから、信頼性の高い業者選びが大事になってきます。

    ソーラーフロンティアではキュービクルのチェック・改修も含めて、太陽光発電システム・蓄電池の設置・導入シミュレーションのご相談を承っております

    導入に関心がある事業者様は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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