
法人事業者向けに、ソーラーカーポートの導入検討に参考となる基本的なポイントをわかりやすくお伝えします。
屋根ではなくソーラーカーポートにする理由や、メリット・デメリットの紹介から、令和7年度の補助金や施工事例(環境省資料)も解説します。
今回は事業者様向けに、ソーラーカーポートの導入メリットや、2025年度におけるソーラーカーポートに関わる補助金の最新情報をお伝えします。
社屋の屋根に設置するより、ソーラーカーポートに太陽光発電システムを設置するメリットはあるのか?
2025年度に設置検討する場合、どれくらい補助金が出るのか?こんな疑問をお持ちの方におすすめの内容となっています。
それでは、まず記事の結論からみていきましょう。
記事の要点
・太陽光パネルの重量や屋根形状・方位の問題で屋根に設置が難しい場合の代替え、さらに増設の選択肢として、ソーラーカーポートが選ばれることが多いです
・来場者向け、もしくは社員の通勤車向けにソーラーカーポートを設置することで、顧客満足度(CS)・社員満足度(ES)が向上する可能性も考えられます
・設置に関するデメリットは、カーポート費用が加算されるため、屋根設置に比べて割高になることや、建築確認申請が必要になることで申請費用が加算されることなどがあります
・令和7年度、駐車場を活用した太陽光発電システム(ソーラーカーポート等)には、国の補助として8万円 / kWが見込まれています
ソーラーカーポートの基礎知識
搭載型と一体型のちがい

【出典】:環境省パンフレット
ソーラーカーポートには、大きく分類して2つの種類があります。
一体型 | 太陽光パネル自体が屋根構造を兼ねる (カーポート自体の屋根はなく、太陽光パネル自体が屋根となる) |
搭載型 | カーポート屋根の上に太陽光パネルを後付けする (カーポート自体の屋根と、太陽光パネルが重なっている) |
2種類ありますが、自社敷地の駐車場へ新規にソーラーカーポートを新設する場合、一体型ソーラーカーポートを導入することが一般的です。
一体型の方が多い理由は、製品上の理由と搭載量の多さを稼ぐためです。
一体型ソーラーカーポートは、太陽光パネルがカーポートの屋根となるため、設計段階から太陽光パネルを載せる前提で耐荷重、耐風圧などの強度計算が行われています。
そのため、設置後も安心・安全に駐車場を利用できるという利点があります。
また、搭載型では屋根の端から一定の離隔距離を確保して、屋根から少し内側に太陽光パネルを設置する必要があります。
しかし一体型ではその必要がなく、太陽光パネルの設置有効面積を広げることができ、同じ面積でも発電量を確保しやすい特徴があります。
既に導入されているカーポートに太陽光パネルを新たに載せることもできますが、耐荷重などの理由から後付けできるカーポートが限定的であることが現実です。
ソーラーカーポートは屋根設置の代替・増設

つづいて、屋根ではなく駐車場のカーポートの上に太陽光パネルを設置する「意味」をご紹介します。
太陽光発電システムは、まずは事業者様の社屋の屋根に設置検討されることが多いです。
しかし検討の結果、太陽光パネルの総重量、屋根形状・方位といった建築物側の問題で設置が難しい場合の代替えとして、ソーラーカーポートという選択肢が出てきます。
さらに屋根にこれ以上設置できない、といった場合の増設の選択肢としても、ソーラーカーポートが選ばれることがあります。
このように、自社施設の屋根のみでは必要な容量の太陽光パネルが足りない場合に、ソーラーカーポートを選択される事業者様もいらっしゃいます。
ソーラーカーポートを導入するメリットとデメリット
ソーラーカーポートを導入する理由としては、屋根設置の代替え・増設という理由が多いですが、設置方法以外のメリットやデメリットもみていきましょう。
土地の有効活用と自給率・防災性の向上

【出典】:環境省パンフレット
空き地や駐車場などの空間を活用できることと、太陽光発電システムの設置・増設によって再エネ自給率の向上につながります。
また、太陽光発電システム自体のメリットでもありますが、防災への備えとしてもメリットがあります。
社屋が地震などで損傷していたとしても、カーポートの場合は比較的軽い建築物であるがゆえに被害が少なくなることも考えられ、災害時のリスクヘッジとしてもおすすめです。
顧客満足度(CS)・社員満足度(ES)の向上

来場者向け、もしくは社員の通勤車向けにソーラーカーポートを設置することで、顧客満足度(CS)・社員満足度(ES)が向上する可能性が考えられます。
自社敷地の駐車場にソーラーカーポートが設置されていれば、来場者などからも確認しやすく、対外的なPRにつながります。
環境貢献・地域貢献などに前向きな印象を対外的に発信できる、一種の広告宣伝としてのメリットが考えられます。
さらに自社社員向けの駐車場にソーラーカーポートを設置することで、雨天時の雨除けだけでなく、夏季は車体の温度上昇を抑制することができ、冬季では車体への降雪を防ぐことが可能となり総合的に従業員の満足度向上も見込めるでしょう。
【関連記事】:脱炭素化とは?その実現に向けた企業の取り組みを徹底解説!
デメリットは費用面

ソーラーカーポートに関するデメリットは、費用面に関することがあげられます。
太陽光発電システム全体の工事費用が屋根設置に比べて割高になることや、カーポート自体の設置に建築確認申請が必要になることもあり、申請費用が加算されます。
【2025年度・令和7年度】カーポート向け補助金

【出典】:民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業
環境省で実施される、「建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業」でカーポートの設置に対する補助金が予定されています。
令和7年度は、駐車場を活用した太陽光発電システム(ソーラーカーポート等)に、補助として8万円 / kWが見込まれています。
事例紹介(環境省資料・引用)

【出典】:ソーラーカーポートの導入事例集
環境省の資料にある事例から、一部を紹介します。
事例として取り上げる案件は、ホームセンター様での事例となっており、来客されるお客様の駐車場へ設置された事例です。
ソーラーカーポート事業に取り組むきっかけ(下記3点の実現に努める) ①平時における温室効果ガス排出の抑制 ②カーポート設置による、雨天時などの駐車場利用の利便性向上 ③災害等の非常時において必要最低限な店舗運営が可能なエネルギーの供給(BCP対策の一環) • 事業実施に当たって特に注意した点 災害等の非常時の店舗営業では、パワーコンディショナーをPOSシステム用コンセント及び非常用コンセントとして活用する設計としている。 • 課題と工夫点 前方に支柱のない「片持ち」施工で駐車のしやすいカーポート施工を実現した。 当該事業により、同社他店舗で当該スキームの水平展開が期待できる。 ※環境省資料引用 |
まとめ

ソーラーカーポートは、自社施設の屋根上に太陽光パネルが設置できない場合にも検討できる太陽光発電の選択肢です。
屋根設置が難しい場合や、更に設置容量を確保したい場合、駐車場を有効活用したいとお考えの事業者様は、ぜひ導入をご検討してみてください。
ソーラーフロンティアでは、「フロンティアカーポート」という一体型の商品もご用意していますので、気になった方はぜひお気軽にお問い合わせください。
◆フロンティアカーポート・カタログ(PDF)

【出典】:フロンティアカーポート(一体型)
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