
介護施設における太陽光発電システムの効果をわかりやすくお伝えします。
どこを対策すればいいのか?太陽光発電システムによる節電効果や利回りの影響をシミュレーションを交えて解説。同時にBCP対策の観点の必要性も紹介します。
今回は、介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設・サービス付き高齢者向け住宅など)を運営されている事業者様向けの内容となっています。
・昨今値上がりしている電気料金が気になる
・変動費としての電気料金を削減したい
・BCP対策(事業継続計画)を考えたい
このような考えをお持ちの介護施設のオーナー様・経営者様に、太陽光発電システムがおすすめの理由をわかりやすくお伝えしていきます。
それでは、まず今回の記事の要点から見ていきましょう。
記事の要点
・介護施設でエネルギー消費の多い用途は、「空調設備」と「照明設備」。この2つでエネルギー消費の5割以上を占めます
・介護施設は、24時間空調を稼働させる必要があります。太陽光発電システム設置により、特に夏の昼間の空調に対するエネルギー削減効果は大きくなります
・建て貸し物件の介護施設を運営している場合、太陽光発電システムを設置することで事業者視点から見る利回りにもプラスの影響があります(条件により変動)
・介護施設は多くの方の命を預かる場所であるからこそ、災害時などにも電源を確保するために、太陽光発電システムの設置はおすすめです
介護施設では空調と照明で5割を占める

【出典】:東京都環境局
介護施設での年間の用途別電力使用比率は、上図(右)のとおりとなっています。
建築地・床面積・業態によって様々ですが、比較的空調設備と照明設備で電力を多く使用している実態がわかります。
なお上図は、東京都環境局の資料からの抜粋ではありますが、元々のデータは社会福祉法人・東京都社会福祉協議会の協力を得て作成されており、実態に近いものと想定されます。
介護施設の場合、24時間稼働している施設が多く、同時に空調も24時間稼動していることが多いため、夏・冬には空調エネルギーが増大していきます。
太陽光発電の現在の考え方

昨今は、インフレの影響により電気料金も高止まりしている状況がありますが、施設全体に節電を呼びかけても効果は微々たるモノでしょう。
そこで効果的な対策が、太陽光発電システムをはじめとする、再生可能エネルギーの活用です。
太陽光発電システムは、日の出から日没まで発電をし続けます。現在一般的なのは、つくった電気をまずその建物内で使う自家消費型です。
ひと昔前は、つくった電気をすべて電力事業者に売る全量売電が一般的でしたが、現在は「買う電力単価」>「売る電力単価」となっているので、つくった電気を売らずに自分で使った方がオトクになります。
太陽光発電システムは設置に初期費用がかかるものの、電力会社から高い単価で買う電力量を減らすことで効果がうまれ、利回りにもよい影響を及ぼします。

【出典】:東京都環境局
また、東京都環境局が事業者アンケートなどの結果に基づきまとめた資料の中でも、介護施設における省エネ効果性を考えた際、LED照明への切り替えにつづいて太陽光発電システムの導入をおすすめしている実態があります。
特に空調機器は昼間に稼働が多くなる

ここまでは、介護施設以外にも当てはまる一般的な内容ですが、介護施設においては先ほどご説明したとおり照明・空調の2つの分野で多くエネルギーを使っています。
照明は深夜の消灯時間以降を除き、比較的時間による使用量の変動は少ないですが、空調機器は外気温や人の出入りによって大きく影響を受けます。
特に夏場においては晴れている昼間は外気温が上昇するため、エアコンの稼働量が一気に増大します。
さらに、昼間はご家族の来訪や業者様など、施設において人の出入りが頻繁にされることから、空調した空気が外に逃げやすいという状況も発生します。
そのため、特に昼間は目に見えない形で多くのエネルギーが使用されている状況があり、昼間に発電する太陽光発電システムと介護施設は相性が良いといえます。
オーナー・経営者から見た時の太陽光発電システムの効果

つづいて、オーナー様・経営者様から見たときの太陽光発電システムの導入効果をみていきましょう。
大きく分けて、自分自身がオーナーとして建物を所有し運営している場合と、建物を建てて貸している場合の2パターンが考えられますが、いずれも利回りという意味では太陽光発電システムの効果はプラスになる可能性が高いです。
太陽光発電システムを設置する場合の電気料金の扱い

自社で建物を所有し、太陽光発電システムを設置する場合は、自家消費の効果がそのまま経営効果として現れるため効果がわかりやすいです。
例えば、30kW(設置費用:600万円 ※仮)の太陽光発電システムを導入した場合、年間での発電量を仮に30,000kWhとします。(※1kWあたり1000kWhと仮定)
仮に95%を自家消費したとすると、その効果は年間で約77万円となります。
※28,500kWh(30,000kWh×95%) × 27円 = 約77万円(自家消費分として節約できる金額)
600万円の投資に対し、77万円の効果があることから約8年で投資回収が成立し、その後は収益となります。
一方、介護施設にPPAとして太陽光発電システムを設置することで、電気料金を抑えることができる効果や、BCP対策の一環とすることができます。
PPAの場合、初期費用やメンテナンス費用を負担することなく設置できるメリットがありますので、借入金額や初期費用などで太陽光発電システムに予算が回せない場合などにもおすすめです。
太陽光発電システムの有無による利回りの違いの一例
それでは、一例として太陽光発電システムをプラスした時の介護施設の運営利回りのシミュレーションを簡単に見ていきましょう。
例えば、建物の建築費用が1.8億円の介護施設で、年間収益が960万円が見込める物件があるとしましょう。
この場合、単純な利回りは5.33%ですが、この物件に自家消費型太陽光発電システムを設置したとします。(30kW / 設置費用:600万円 ※仮)
前述のとおり約77万円の電気料金を抑えることができる分を収益として考えると、太陽光発電システムを含めて利回りを約0.2%プラスにできます。
※太陽光発電システム導入前・年間使用電気料金:80,000kWh × 27円=216万円と仮定
※年間発電量30,000kWh、自家消費を95%(単価:27円/kWh)、年間収益77万円と仮定
※(収益960万円+電気料金節約分77万円)÷(投資額1.8億円+設置費用600万円)=5.57%
介護施設に求められるBCP対策

次に、電気料金の削減効果以外にも、介護施設は多くの方の命を預かる施設であるからこそ、災害時などにも電源を確保しておきたいものです。
特に2021年の介護報酬改定を受けて、2024年4月より全ての介護サービス事業者はBCP策定および研修・訓練の実施が義務付けられています。
この義務化 = 太陽光発電システムの設置の義務化ではないものの、介護施設および病院に類する施設においては、自然災害時に電気が止まった時の策定も必要となっています。
また、太陽光発電システムは復旧に至るまで、日中は創エネできるシステムとしても役割を果たすため、介護サービス事業者としても重要な設備となっています。
夜間や雨天時の対応として、同時に非常用電源として蓄電池を検討されるケースも多く、太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせで効果性を一層高め、入居者様・ご家族様にも安心感をお伝えすることができます。
まとめ

介護施設は一般的な施設に比べ、太陽光発電システムの必要性が高く、省エネ性だけでない側面からも導入される事業者様が増えています。
地震だけでなく台風など、様々な災害リスクがある昨今、施設のインフラを整える意味でも太陽光発電システムや蓄電池の導入を検討してもよいでしょう。
ソーラーフロンティアでは介護施設への導入事例もあり、今回ご紹介したような経営効果のシミュレーションなども承っております。
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