2023.03.07

【法人/事業用】太陽光発電の補助金について徹底解説

【法人/事業用】太陽光発電の補助金について徹底解説

太陽光発電の導入を検討する際、ネックとなりがちなのがコストです。規模が大きければそれだけ費用がかかるため、法人・事業者様の課題になっているケースも多いでしょう。こうした際にご確認いただきたいのが、太陽光発電に関する補助事業です。

目次

    2023年の太陽光発電の補助金

    2023年(令和5年)度における太陽光発電に関連した補助金を解説します。
    なお、2023年2月現在では、詳細が発表されていないものがほとんどのため、こちらでは前年度(令和4年度)を参考にした内容を記載いたします。詳細については、補助事業者のホームーページ等をご確認ください。

    ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

    太陽光発電と合わせて、蓄電池の導入を検討される方におすすめの補助金制度です。
    主にオンサイトPPAに対して蓄電池の普及を進めており、そのための補助を行っています。なお、ストレージパリティとは、蓄電池を導入しないよりも、蓄電池を導入したほうが経済的なメリットを得られる状態を指します。
    以下は、令和4年度の内容です。

    公募実施者 一般財団法人 環境イノベーション情報機構
    公募期間
    • 1次公募:令和4年3月末~令和5年5月上旬
    • 2次公募:令和4年5月中旬~令和5年6月中旬
    • 3次公募:令和4年6月下旬~令和5年7月末
    ※予算上限に達したため3次公募は実施されませんでした。
    補助内容
    1. PPA/リース(業務・産業用):5万円/kW
    2. 戸建て住宅:7万円/kW
    3. その他:4万円/kW
    ※①②は「定置用蓄電池」または「車載型蓄電池」をセットで導入する場合
    対象・条件 オンサイトPPA/リースモデルもしくは自己所有型
    ※オフサイトPPA、自己託送は対象外

    【出典】一般財団法人環境イノベーション情報機構HP
    (https://www.eic.or.jp/eic/topics/2022/st_r03c/001/)

    【参考】:産業用蓄電池とは?導入費用やメリット、設置の際の補助金についても解説

    新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

    ①再生可能エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業)

    ソーラーカーポートの導入を検討中の方におすすめの補助事業です。
    屋根面積が狭い、構造上設置が難しいなどの理由で太陽光発電の導入が難しい場合の選択肢として、ソーラーカーポートでの自家消費型太陽光発電が注目されています。太陽光発電一体型カーポートや太陽光発電搭載型カーポートの設置で、補助金が交付されます。
    以下は、前年度を踏まえた令和5年度の予測です。

    公募実施者 一般社団法人 環境技術普及促進協会
    公募期間
    • 1次公募:令和5年3月下旬~令和5年4月下旬
    • 2次公募:令和5年5月上旬~令和5年5月下旬
    • 3次公募:令和5年6月上旬~令和5年6月下旬
    • 4次公募:令和5年7月上旬~令和5年7月下旬
    補助内容 補助率3分の1(上限は1億円)
    対象・条件
    1. 駐車場を活用したソーラーカーポートや蓄電池の導入を行う事業であること

    2. 発電量の50%以上を導入場所の敷地内で自家消費すること

    3. パワーコンディショナの最大定格出力の合計が5kW 以上であること。

    4. 積載率(太陽光発電モジュール容量÷パワーコンディショナの最大定格出力)が、1以上であること

    5. 事業によって得られる環境価値を需要家に帰属させること

    6. FITまたはFIPによる売電を行わないものであること

    7. 本補助金を受けることでの導入費用

    『経費内訳における{(「補助対象経費」から定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備・充電設備に係る金額を除いたもの)-(「補助金所要額」から定置用蓄電池・車載型蓄電池・充放電設備・充電設備に係る金額を除いたもの)}÷(パワーコンディショナの最大定格出力)』が、10kW未満:34.88万円/kW、10kW以上50kW未満:30.35万円/kW、50kW以上:20.59万円/kWを下回るものであること。

    【出典】一般社団法人 環境技術普及促進協会HP
    (http://www.eta.or.jp/offering/22_02_shin1/220318.php)

    需要家主導型太陽光発電導入促進事業

    需要家が小売り電気事業者及び発電事業者と一体となって取組み、太陽光や蓄電池の導入を行うものであり、大規模な太陽光発電所の導入を検討中の方におすすめの補助金です。2MW以上の規模の太陽光発電および蓄電池運用の場合に、経済産業省からの補助が受けられます。なお、補助対象設備の場所は「需要地外」(ストレージパリティの様に需要地点の屋根上に設置するものなどは対象外)となります。
    以下は、令和4年度第2次補正予算一次公募の内容です。

    公募実施者 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)
    公募期間 令和5(2023)年2月3日(金)~ 令和5(2023)年3月24日(金)17時
    補助内容 補助率
    1/2以内(自治体連携型※の場合は、2/3以内)
    ただし蓄電池の設置に係る経費については1/3 以内
    ※自治体連携型とは次の①②のいずれかの場合を指す
    1. 補助対象事業者 (地方公共団体及び地方公営企業を除く) が、地方公共団体が所有する土地に補助対象設備を設置して補助事業を実施する場合
    2. 地方公共団体が資本金の過半を出資する補助対象事業者又は地方公共団体及び地方公営企業が、当該地方公共団体内に需要地を有する者を需要家として補助事業を実施する場合。
    対象・条件
    1. 対象設備が電気事業者による再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の認定計画に含まれないこと(非FIT・非FIP)

    2. 合計2MW以上の新設設備で、単価が23.6万円 /kW(ACベース)未満であること

    3. 令和6(2024)年2月29日(木)までに運転開始すること

    4. 8年以上にわたり一定量以上の電気の利用契約等を締結すること

    5. 再エネ特措法に基づく事業計画策定ガイドラインを遵守すること

    なお、令和4年度第2次補正予算からは、太陽光発電設備に併設する蓄電池についても補助対象となります。

    【出典】令和4年度第2次補正予算 需要家主導型 太陽光発電導入促進事業HP
    (https://jp-pc-info.jp/r4hj/)

    【参考】:日本で広がりつつある「オフサイトPPA」とは?オンサイトPPAとの違いについても解説

    新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

    ②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業

    以下を対象とする補助金制度です。

    1. 営農地事業
      営農地を活用した太陽光発電設備等の導入を行う事業であり一定のコスト要件を満たす場合に、設備導入に対して支援をおこなうものです。

    2. ため池事業
      ため池を活用した太陽光発電設備等の導入を行う事業に対し、一定のコスト要件を満たす場合に、設備導入に対して支援をおこなうものです。

    3. 廃棄物処分場事業
      廃棄物処分場を活用した太陽光発電設備等の導入を行う事業に対し、一定のコスト要件を満たす場合に、設備導入に対して支援をおこなうものです。

    それぞれに募集内容は異なりますので、詳しくは最新の公募要領から確認してください。

    以下は、前年度を踏まえた令和5年度の予測です。

    公募実施者 一般社団法人 環境技術普及促進協会
    公募期間
    • 1次公募:令和5年5月中旬~令和5年6月中旬
    • 2次公募:令和5年6月下旬~令和5年7月下旬
    補助内容 補助率 2分の1(補助金の上限は3億円)

    【出典】一般社団法人 環境技術普及促進協会HP
    (http://www.eta.or.jp/offering/22_08_shin2/220517.php)

    新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

    ③オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業

    電力需要施設の敷地外(オフサイト)に太陽光発電設備を新規導入し、自営線により電力調達を行う取組みについて、当該自営線等の設備導入を行う事業に支援を行うものです。本補助事業において、当該太陽光発電設備については補助対象外となります。自営線とは、新たに設置する太陽光発電設備から電力需要施設まで送電するための電線その他必要な配線(太陽光発電設備と電力需要施設が同一敷地内にある場合を除く。)をいいます。

    以下は、前年度を踏まえた令和5年度の予測です。

    公募実施者 一般社団法人 環境技術普及促進協会
    公募期間
    • 1次公募:令和5年3月下旬~令和5年5月中旬
    • 2次公募:令和5年5月下旬~令和5年6月下旬
    補助内容 補助率3分の1(上限は1事業あたり2億円)
    対象・条件 ■対象
    1. 自営線

    2. 定置用蓄電池

    3. EMS(エネルギーマネジメントシステム)

    4. 受変電設備

    5. その他協会が必要と認める設備

    ■条件
    1. 逆潮流しない設備であること

    2. 環境価値が需要家に帰属していること

    3. 災害時にも該当施設に電気を供給できる設備であること

    4. FITやFIP制度を利用しない設備であること

    【出典】一般社団法人 環境技術普及促進協会HP
    (http://eta.or.jp/offering/22_05_shin3/220330.php)

    【参考】:太陽光発電の自己託送とは?自己託送を利用するメリットについて解説

    都道府県の補助金制度

    自治体のなかには、太陽光発電設備等の導入に活用できる補助事業を行っているところがあります。令和4年度に実施されたものを、以下で一覧にまとめました。

    なお、補助事業毎に補助対象設備や要件、他の補助金等との併用可否が定められており、申請前に注意が必要です。各自治体HP等でご確認ください。

    自治体 制度
    秋田県 産業用再エネ電力活用モデル事業費補助金
    山形県 やまがた未来くるエネルギー補助金(山形県再生可能エネルギー等設備導入促進事業)
    新潟県 新潟県再生可能エネルギー設備導入促進事業補助金
    栃木県 太陽光発電設備等導入緊急支援事業(事業者向け補助金)
    東京都 地産地消型再エネ増強プロジェクト(都内設置)
    地産地消型再エネ増強プロジェクト(都外設置)
    再エネ設備の新規導入につながる電力調達構築事業
    京都府 認定自立的地域活用型再生可能エネルギー導入等計画に基づく再生可能エネルギー設備等導入補助事業補助金
    兵庫県 中小事業者省エネ設備等導入支援事業補助金
    佐賀県 佐賀県自家消費型再エネ発電設備等設置費補助金
    大分県 エコエネルギー導入支援事業費補助金
    宮崎県 県内事業者エネルギー転換緊急支援事業補助金

    【参考】:東京都補助金 | 再エネの導入時に事業者が利用可能な助成事業

    まとめ

    補助金

    今回は太陽光発電の導入をご検討中の法人・事業者様に向けて、2023年に実施されると見込まれる補助金の解説を行いました。ソーラーフロンティアでは、見積もり~導入のサポートまで行っております。ぜひお気軽にご相談ください。