そもそも省エネとは?
省エネの概要や、省エネが重要視されるようになった背景・目的について解説します。
◇省エネとは
省エネ(省エネルギー)とは、石油や石炭、天然ガスなどの限りあるエネルギー資源を無駄なく効率的に利用することです。日本では、資源エネルギー庁が中心となって、家庭向け・事業者向けに省エネを推進しています。
◇企業が省エネに取り組むようになった背景と目的
企業が省エネに取り組むようになったのは、1979年に制定された「省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)」の影響が大きいでしょう。省エネ法は、1970年代に起こったオイルショックをきっかけに制定され、事業者に対し、各種報告義務や努力義務を求めています。
省エネ法については以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。
参考:省エネ法とは?企業が対応するには太陽光発電が効果的?
さらに近年では、温室効果ガスの排出量と、吸収・吸収量を同じにして正味ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すために、改めて省エネが重要視されています。カーボンニュートラルの実現には、以下の4点をうまく組み合わせること等が重要とされています。
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エネルギー消費量の削減(省エネ)
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非電力分野の電化
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CO2排出原単位※の削減(電源の非化石化や脱炭素化)
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ネガティブエミッション技術の活用(植林、DACCSなど)
図出典:経済産業省 第3回グリーンイノベーション戦略推進会議 開催資料
参考:「カーボンニュートラル」とは?仕組みや国内の取り組みを紹介
企業が省エネに取り組むメリット
省エネを推進することは、省エネ法の遵守以外にも、企業の事業運営にとって様々な価値があります。ここでは、企業が省エネに取り組むメリットを3点紹介します。
◇コストダウンにつながる
高効率設備の導入によってエネルギー消費量を削減でき、ランニングコストを抑えられることがあります。また、自家消費型の太陽光発電設備を導入し、発電した電気を自社で使用すれば、電力会社からの電力購入費も削減可能です。
◇企業価値の向上につながる
世界的にカーボンニュートラルが叫ばれるなか、省エネを推進し脱炭素化に貢献することは企業価値の向上につながります。また、近年の金融市場では脱炭素化への取り組みを評価基準に追加する動きが見られるため、投資家からの評価向上・企業の競争力強化にもつながるでしょう。
◇設備の安定稼働が見込める
設備の部分的な清掃や交換などのメンテナンスを行なうことも、省エネ対策の一つです。定期的なメンテナンスによって設備への負荷を軽減できれば、省エネのみならず、設備を長持ちさせたり、安定稼働させたりすることにもつながるでしょう。
企業が省エネを取り組む上でのポイント
「省エネに取り組みたいが具体的な方法がわからない」「省エネの効果がどのくらいか知りたい」など、省エネを実践していくうえで課題や疑問が生じることも多いでしょう。省エネに取り組む上では、以下の3つのポイントを参考にしてみてください。
◇エネルギーの見える化と無駄の発見
まずは、日々のエネルギー使用状況を見える化し、正しく把握することが大切です。そのため「使用エネルギーのどこに無駄があり、どのような改善策が必要か」を分析・検討し、運用改善の計画を立てましょう。より効率的に運用改善を図るには、エネルギーマネージメントシステムの導入も有効な手段です。
◇電力調達方法の見直し
CO2の調整後排出係数がゼロである「CO2フリー電力」へ切り替えるといった、電力の契約先やメニューの見直しも省エネ対策につながります。また、発電時にCO2を排出しない自家消費型太陽光発電設備の導入も効果的です。
◇設備投資計画の策定
老朽化設備の更新や高効率設備の導入など、中長期的な設備投資計画を策定することも方策の一つです。具体的に計画を策定することで、各省エネ対策に優先順位を付けて無駄なく取り組むことができ、PDCAサイクルを回しやすくなるでしょう。
まとめ
企業が省エネに取り組む背景には、省エネ法の制定、世界的にカーボンニュートラルの実現を目指している現状などがあります。
また、省エネの取り組みは法律遵守だけでなく、企業の事業運営に様々なメリットをもたらすでしょう。例えば、ランニングコストの削減や企業価値の向上、設備の安定稼働などが挙げられます。
省エネ対策を効率良く進めるためには、エネルギーの見える化と無駄の発見、電力調達方法の見直し、設備投資計画の策定等を意識しながら進めるとよいでしょう。
中でも、太陽光発電設備の導入は、電源の脱炭素化につながる有力な手段と言えるため、ぜひ一度ご検討ください。
参考:【法人向け】自家消費型太陽光発電システムとは?基礎知識や導入のメリットなど解説