PPAモデル(第三者所有型)とは?
まずは「PPA」の概要と、日本における「コーポレートPPA」について解説します。
◇PPAモデルとは
PPAモデルとは、「Power Purchase Agreement(電力販売契約)モデル」の略称で、電力事業者(PPA事業者)と需要家(電力の使用者)との間で結ぶ契約モデルのことです。
参考:【法人向け」PPAモデル(第三者所有型)とは?導入のメリット・デメリット、徹底解説!
◇日本におけるコーポレートPPAのあり方
PPAに関連して「コーポレートPPA」という用語が使用されることがあります。
コーポレートPPAとは、企業が小売電気事業者や発電事業者と長期契約を締結し、再生可能エネルギーの発電設備の電力を固定価格で購入できる仕組みです。
コーポレートPPAは、発電設備を設置する場所により「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に分けられ、特にオフサイトPPAは日本と海外で契約形態が異なります。
日本では電気事業法の規定により、送配電ネットワークを経由して電力を販売できるのは国に登録した小売電気事業者のみです。そのため、日本でオフサイトPPAを実現するには、小売電気事業者の介在が必要です。
オンサイトPPAとオフサイトPPAの違いについて
PPAは、発電設備と電力の需要場所の位置関係によって「オンサイト型」と「オフサイト型」に分けられます。それぞれの概要は以下のとおりです。
◇オンサイト型
オンサイト型とは、需要場所の敷地内に発電設備を設置し、発電電力を自家消費するモデルです。
◇オフサイト型
オフサイト型とは、需要場所から離れた場所に発電設備を設置し、発電電力を需要場所に供給するモデルです。
発電場所から需要場所へは小売電力事業者を介し電力供給を行います。
また、需要場所から離れた場所にある自社発電所で発電した電気を、送配電ネットワークを用いて自社設備へ送電する仕組みを「自己託送」と呼びます。
自己託送については、以下の記事も参考にしてください。
オンサイトPPA・オフサイトPPA・自己託送の比較
オンサイトPPAとオフサイトPPAについて、それぞれの特徴を確認していきましょう。
※会計処理については、弊社にてお約束するものではありませんので、監査法人等へご確認ください。
上表のとおり、オンサイトPPAでは、託送料金や再エネ賦課金などの系統利用コストがかからないため、事業メリットが得られやすくなります。
その一方で、RE100加盟企業にとって、事業で使用する電力を100%再エネで賄うという高い目標をオンサイトPPAのみで達成することが困難であるのも事実です。
そのため、将来的には設置場所の選択肢が広がるオフサイトPPAや自己託送等の検討が必要な場合があるでしょう。
オフサイトPPAが広がる背景
日本でオフサイトPPAが広がりつつある背景としては、おもに以下の3つが挙げられます。
◇1.「オフサイトPPA」は他の再エネ電力調達手段と比較し「追加性」を有する
オフサイトPPAは、再生可能エネルギーの電源を新たに設置し、その発電電力を企業に供給する仕組みです。証書購入や小売電気事業者からの購入等の調達方法と比較し、再生可能エネルギー発電設備の「追加性」があることから、気候変動対策への貢献度が高い電力調達方法と考えられています。
◇2.自社に発電設備を設置できる屋根やスペースがない場合の検討手段になる
再エネ100%の電力を調達したいものの、敷地内に設置に適した場所がない(不足する)ケースも多いでしょう。オフサイトPPAでは、発電設備を敷地外に設置するため、選択肢の一つとして検討可能です。
◇3.需給調整業務を小売電気事業者に任せることができる
日本のオフサイトPPAは小売電気事業者を介した契約のため、海外のように企業の責任で発電量と需要を調整する必要がありません。需給計画・調整の業務は、小売電気事業者に任せることができ、導入にともなう業務負担を考慮せずにすむこともメリットと言えるでしょう。
まとめ
企業は、カーボンニュートラルの達成に向けて、今後も積極的に再生可能エネルギーの導入を検討していく必要があります。
オンサイトPPAとオフサイトPPAは、発電場所と需要場所の関係性のほか、系統利用コストや非常用電源としての利用可否にも違いがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく理解したうえで、適したモデルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ソーラーフロンティアではPPAモデルに関するご相談を承っております。
詳しくは 初期費用ゼロ円モデル紹介ページ をぜひご覧ください。