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2022/01/27
RE100とは?加盟のメリットや企業事例を詳しく解説

RE100は、影響力のある企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを促進する、世界的な取り組みです。

本記事では、RE100の概要や加盟条件、加盟のメリットなどを解説します。併せて、RE100に加盟している日本企業の取組事例も紹介しますので、参考にしてください。

RE100とは

「RE100」は「100% Renewable Electricity」の頭文字を取った言葉で、世界で影響力のある企業が事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする国際イニシアチブです。企業が「電力を100%再生可能エネルギーで調達すること」を宣言・可視化し、再生可能エネルギーの普及と促進を求めるのが目的です。

2014年に発足したRE100は、2021年12月時点、世界全体で340社以上ものさまざまな分野の企業が加盟しており、企業売上の合計は6兆6,000億米ドルを超えています。
日本企業の加盟数は2021年12月時点で63社となりました。

参考文献:JCLP RE100・EP100・EV100 国際企業イニシアチブについて

RE100の対象企業

RE100の対象企業

RE100の対象企業は、以下4点のうちいずれか1つ以上に該当する「影響力のある」企業とされています。

  1. グローバルまたは国内で認知度・信頼度が高い

  2. 主要な多国籍企業(フォーチュン1000、またはそれに相当)

  3. 年間消費電力量が100GWh以上(日本企業は50GWh以上)

  4. RE100の目的に寄与できる国際的・地域的な影響力を有する

上述の通りRE100への参加には、グローバルまたは国内で認知度が高い、年間消費電力量が日本企業で50GWh以上等の条件があるため、中小企業や非企業の団体が再生可能エネルギーの利用促進に取り組む場合には、日本独自の枠組みとして発足した「再エネ100宣言RE Action」に参加するのがよいでしょう。RE Actionについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

参考:「再エネ100宣言RE Action」とは?参加条件やメリット、参加団体の再エネ導入事例を紹介

RE100でコミットする再エネ100%目標の期限や最低条件

RE100で加盟企業がコミットする目標は、遅くとも2050年までに100%を達成する目標とすることが必要です。中間目標の最低ラインは「2030年60%、2040年90%」になりますが、日本の遅れている再エネ環境を鑑み日本企業の中間目標設定は必須から推奨に緩和されています。その代替要件として日本企業には、以下がクライメイト・グループより求められています。
・『日本の再エネ普及目標の向上』と『企業が直接再エネを利用できる、透明性ある市場の整備』に関する、政策関与と公的な要請を積極的に行うこと。

参考文献:JCLP FAQ よくあるご質問(RE100参加について)

RE100の再エネ電力の定義と調達手法

RE100では以下をエネルギー源として生成された電力を再エネ電力と定義しています。
・太陽光(熱)、風力、水力、バイオマス(バイオマスガス含む)、地熱

また、その調達手手法についても以下の通り定めています。

・自家発電
1)企業が保有する発電設備による発電
・購入電力
2)企業の敷地内に設置した他社が保有する設備からの電力購入
3)企業の敷地外に設置した発電設備から専用線を経由して直接購入
4)企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達
5)電力小売との契約(再エネ由来電力メニュー)
6)再エネ電力証書の購入

RE100に加盟するメリット

RE100に加盟する企業には、さまざまなメリットがあります。

◇ブランドのイメージアップにつながる

近年、サステナビリティやクリーンエネルギーに対する世間の関心が高まっています。RE100に加盟することで、一般消費者だけでなく関係取引先からも、脱炭素化へ配慮した取り組みを積極的に行なう企業であると認識され、ブランドイメージが向上し支持を得られるでしょう。
脱炭素化の取り組みは新たなビジネスチャンスを生む契機であると共に、市場で選ばれ続ける為の条件にもなりつつあります。

◇投資家から高い評価を得られる

RE100に加盟した企業は、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(統治)の頭文字を取った「ESG投資」においても、投資家からの評価を得られます。

ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境問題や社会問題、ガバナンスに対する企業姿勢などの非財務情報を判断材料とする投資手法です。RE100は、ESG投資の考え方に合致する部分が多く、加盟することで投資家からの評価を獲得できる可能性が高まります。

◇気候変動対策への貢献と経済性の両立

RE100への加盟で世界全体の再生可能エネルギー利用率を向上させることは、気候変動対策への貢献そのものを意味しています。またRE100の要件である再エネ電力による電力調達は、系統電気料金に影響を及ぼす燃料価格の変動を受けず、長期安定的な電力コストであると言えます。

RE100に加盟している日本企業の取り組み事例紹介

RE100に加盟している日本企業の取り組み事例紹介

RE100に加盟している、日本企業3社の取り組み事例を紹介します。

◇アスクル株式会社

アスクル株式会社は、2017年11月にRE100に加盟しました。100%を達成する目標時期は2030年であり、日本のRE100加盟企業の中では最も早いとされています。
また、2030年のRE100の達成に向け、アスクルの本社と物流センターで使用する電力を2025年までに自然エネルギー100%に切り替える意欲的な目標を打ち出しています。
調達手段は、小売電気事業者のネクストエナジー・アンド・リソースが販売する「GREENa RE100 プラン」の購入であり、このプランは「グリーン電力証書」と電力を組み合わせて提供し、CO2排出量をゼロとするものです。電力使用量に相当するグリーン電力証書を取得することで、自然エネルギー由来の電力を使用していることを証明します。

引用:公益財団法人自然エネルギー財団 先進企業の自然エネルギー利用計画(第1回)

◇株式会社丸井グループ

株式会社丸井グループでは、2018年にRE100に加盟し、2030年までに事業活動で消費する電力の100%を再生可能エネルギーにすることを目標としています。
目標に向けた取り組みとして、みんな電力株式会社が提供するス「ENECT RE100 プラン」へのトライアル参加を通じ再エネ電力サービスの導入を推進しています。

このサービスは、ブロックチェーン技術により供給元の再エネ発電所の特定を実現するもので、日本で初めての試みであるとともに、RE100が重視する再エネ電力調達の原則に沿うものと考えられています。

引用:株式会社丸井グループ ニュースリリース資料

◇ソニー株式会社

ソニー株式会社は2018年9月にRE100に加盟し、全世界のソニーグループの自社オペレーションで使用する電力を2040年までに100%再エネ化することを目指しています。

ソニーグループ全体では、欧州の事業所で2008年の時点で既に100%を達成するなど、グローバルでの再エネ電力利用の拡大が進む一方、半導体事業による電力消費量が多い日本の対応が課題とされています。
そこで、ソニーは、日本における再エネ電力の調達と拡大について、3つのアプローチで取り組みを進めています。

  1. 太陽光発電設備の導入
  2. 電力会社などからの再エネ電力の直接購入
  3. グリーン電力証書の活用

このうち、グリーン電力証書は、2001年にソニーが電力会社と共同開発した仕組みであり、この仕組みにより、発電所から遠く離れた企業や自治体でも再エネ電力を購入・利用することが可能となります。

また近年では、自家発電設備で得た再エネ電力を電力会社の送電網へ流すことで、自社拠点間で電力を融通し合う「自己託送」の推進により、発電した電力を無駄なくタイムリーに活用することで、再生可能エネルギー使用比率のさらなる向上を実現しています。

引用:ソニーグループ株式会社 RE100達成に向けたソニーの挑戦

引用:ソニーグループ株式会社 活動レポート

まとめ

RE100とは、企業が事業で使用する電力の再エネ100%化に取り組むことを促進する国際的イニシアチブです。

RE100に加盟するメリットには、次の3点が挙げられます。

  1. ブランドのイメージアップにつながる

  2. 投資家から高い評価を得られる

  3. 気候変動対策への貢献と経済性の両立

今後さらに、企業として脱炭素化への取り組みは欠かせないものとなっていくでしょう。RE100への加盟をはじめ、自社の取り組みを検討・見直してみてはいかがでしょうか。
再エネ電力の調達手段には様々な方法があります。

ぜひ、下記記事をご参考ください。

参考:【法人向け】自家消費型太陽光発電システムとは?基礎知識や導入のメリットなど解説

参考:【法人向け】PPAモデル(第三者所有型)とは?導入のメリット・デメリット、徹底解説!

参考:太陽光発電の自己託送とは?自己託送を利用するメリットについて解説

参考:再生可能エネルギー|概要や導入するメリットを紹介

2022/01/27
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