実は、知ってる人はえらんでる。

今後の展開にも大きなポテンシャルを感じています。“CIS 2.0”の登場に期待ですね。

東京都市大学 総合研究所
小長井 誠 教授(東京工業大学 名誉教授)

太陽光発電の2050年の累積導入量は
世界で10TW(テラワット)=100億kW規模に

東京都市大学総合研究所の小長井誠教授は、1985年頃に、化合物薄膜太陽電池の研究を始められました。研究開始から、実に30年近くが経っています。研究開始当時、小長井教授が太陽電池技術関連の国際会議に出席すると、日本ではシリコン系太陽電池のみ研究がされている中、アメリカの企業は新しい技術であるCIS太陽電池の試作品を大々的に展示していました。小長井教授は、そうした状況に触れて、「世界の潮流から日本が取り残されてしまうのではないか」という危機感が募り、CIS太陽電池の研究を始められたとのことです。

小長井教授は、今後の太陽光発電の展望について語ってくれました。「太陽光発電協会が2030年までの目標に掲げているのが、“太陽光発電を100GW導入する”ということですが、これは日本での必要な電力のちょうど10%を太陽光発電で賄いましょう、ということです。この目標を国民一人あたりに換算してみると、一人ひとりが1kWの太陽光発電を設置しているのと同じ計算になるんですね。それを同じように、世界でも太陽光発電の普及が進むと仮定して、世界規模で考えてみましょう。世界人口は2050年に100億人程度に到達すると言われていますから、100億人が1kWずつ太陽光発電を設置すると、世界全体で10TW(テラワット)=100億kWの太陽光発電が設置されるという計算です」(小長井教授)。

CIS太陽電池は、影や温度の上昇に強く高い実発電量を発揮するため、あらゆる場所で設置することができるため世界のマーケットのなかで必要とされています。

「将来的に太陽光発電メーカー間の競争は過熱していくと予想されますが、ソーラーフロンティアは間違いなく世界市場でシェアを伸ばし続ける実力があります。世界でCIS太陽電池の量産化に成功しているのはソーラーフロンティアしかないんですからね」と小長井教授は語ります。

CIS太陽電池の量産化技術は世界に誇る日本のモノづくり

小長井教授は、「CIS太陽電池の特長は、様々なサイズにできること、薄いこと、そして製品としての自由度が高いことなどがあります」と語ります。さらにCIS太陽電池の量産化については、日本のモノづくり技術を高く評価されています。

「ソーラーフロンティアは2005年にCIS太陽電池の事業化を決定して、わずか6年という短い期間で年間1GWの生産体制まで持って来たことは驚きでした。1GWというのはすごい数字なんですよ。1GWという大量のCIS太陽電池を国内で生産しているのはソーラーフロンティアだけですからね。ものづくり技術のレベルの高さや量産化技術は刮目すべきことです。ソーラーフロンティアの技術陣が1つ1つのプロセスを丹念に開発していった結果として、他社の追随を許さない総合力を築きあげたのでしょうね」(小長井教授)。

世界に取り残されてしまうという危惧から始まったCIS太陽電池の研究・生産ですが、いまでは世界に誇る技術を、日本は有しているということです。

CIS太陽電池の高性能化の余地は大きい

小長井教授はCIS太陽電池のさらなる高性能化に期待を寄せています。

「ソーラーフロンティアが現在商品化しているCIS太陽電池は、いわば“バージョン1.0”です。CIS太陽電池には、まだまだ性能を上げる余地も多様性も残っています。様々な形やサイズにできること、薄いこと、そして製品としての自由度が高いことなど、CIS太陽電池が潜在的に持つ特長を活かして現商品をさらに進化させたバージョンである“CIS 2.0”が、ソーラーフロンティアから登場することを心待ちにしています」と、小長井教授は笑顔でお話してくれました。

東京都市大学 総合研究所 小長井 誠 教授(東京工業大学 名誉教授)

学術面・産業面における太陽電池技術の牽引役として、40年の長きにわたって主に薄膜太陽電池の研究・開発を行う。応用物理学会前会長。PVSEC Award(1999年)、応用物理学会フェロー表彰(2008年)、文部科学大臣表彰科学技術賞(2009年)、紫綬褒章(2013年)など多数の受賞歴を持つ。太陽電池の基礎と応用(培風館・2012年)等著書多数。

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